エッチのあれこれ⑰ 奇祭「鍋冠り祭り」

 全国各地には「奇祭」と呼ばれる祭りが数多くあるが、氏子の女性が、交わった男の数と同じ数の鍋を頭にかぶり、神輿に従って行列するという、世にも珍しい祭りがある。

 滋賀県米原市・筑摩神社の「鍋冠り祭り」がそれ。しかも、平安初期の歌物語『伊勢物語』に、「近江の筑摩の祭りをはやくやりましょう。男には興味がないという風だった、つれない女が、鍋を何個かぶっているか、見たいから」と、詠んだ歌があることから、1200年の伝統があることがわかる。

 では、なんでそんな奇習が生まれたかというと、「昔、筑摩にほど近い朝妻に漁師たちが大勢入り込み、風紀がひどく乱れた。困惑した氏子たちが、女性の不倫を戒めようと、肌を許した男の数だけ鍋、釜をかぶって祭りの神輿に従うように義務づけた」のだそう。

 とはいえ、肌を許した男の数が多いと、さすがに恥ずかしかったようで、「江戸中期、ある女性が実際よりも数を減らして鍋をかぶり行列に加わったところ、村人の笑いものになってしまい、女は恥ずかしさのあまり、お宮の池に入水して死んでしまった」という話も残っている。

 もっとも今では、幼女が、張りぼての鍋釜をかぶって行列するという、かわいいお祭りに変化していて残念。落っこちそうになるくらいの数をかぶっているお姉さんたちが見たかった…。

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