エッチのあれこれ⑲ 江戸前期の「お籠もり」

 平安時代に始まり、近年まで続いていた性の風習「お籠もり(雑魚寝)」。不特定多数の老若男女が、お寺や神社のお籠もり堂や拝殿に集まり、エッチな一夜を明かし合うという、うらやましい風習だ。

 前回は約半世紀前の「お籠もり」体験記から引用し、それがどんな風に行われていたかを紹介してみたが、今回はずっとさかのぼって江戸時代前期はどんな様子だったのか、西鶴の『好色一代男』から「一夜の枕物ぐるひ」をひもといてみよう。

 「暗闇に紛れて様子を窺うと、まだあどけない姿で逃げ回っている娘もあり、捉えられて断りを言っている女もいる。そうかと思うと、女からふざけかかっているのがあったり、しみじみと語り合っていたり、さてはまた一人の女を男二人で奪い合っているのなどは格別おかしい。七十ぐらいの婆をびっくりさせたり、あるいは姨(おば)を乗り越えたり、主人の女房をいやがらせしたり、しまいには、無茶苦茶に入り乱れて、泣くやら笑うやらうれしがるやら、聞いたよりもはるかに面白い有様だった」(「完訳・日本の古典」小学館刊)

 節分の夜、京都・江又神社で行われていたという「大原の雑魚寝」の様子だが、こうしてみると、近年行われていた光景とほとんど変わらないようだ。

でも、この夜だけは、年齢や身分の上下に関係なく楽しんでいたのが、よくわかるよね。

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