エッチのあれこれ㉓ 当たり前だった町中での立ちション

 外出中に困るのが、急に催した尿意と便意。今ならば、近くのコンビニに駆け込むという手がある。だが、そういう便利な施設や店舗がなかった時代の人々は、いったいどうしていたのだろうと気になり、調べてみた。

 結果は皆さんの推測通り、奈良平安の頃から江戸末期まで、男女を問わず、立ちション、野糞は当たり前。郊外でならまだしも、町中の道端でも平気で行っていたようである。

『宇治拾遺物語』に面白い逸話が記されている。京都の観光名所のひとつ「錦小路」は、元は「具足小路」という名称だったが、あまりにも糞便だらけなので、いつしか「糞の小路」と呼ばれるようになってしまった。それを知って嘆いた帝が、「錦小路」と改称させたというのである。

 同様に『今昔物語』『落窪物語』などにも、当時の京がいかに汚かったかが記されているが、現在の雅のような雰囲気の京都を思えば、隔世の感がある。

 京都といえば、もうひとつ、こんな逸話がある。京都の女性は身分にかかわらず、小便用の桶に尻をまくって立ち小便するだけでなく、事後、紙で拭かないので驚いたという目撃談が、江戸後期の随筆『松屋書記』や『半日閑話』に記されている。

 あ、ちなみに江戸の町中でも、女性が道端で平気で小便していたそうだけど、こちらは立ち小便ではなく、しゃがみ小便だったんだって。

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