エッチのあれこれ㉘ 女愛液が火傷に効く?

 女性の愛液が火傷のキズに効くって俗信を耳にしたことがありますか?

 昔、その話を聞いたとき、すぐに『古事記』のオオナムチ(大国主)の逸話を思い浮かべた。

 オオナムチといえば、ワニザメに赤裸にされた因幡の白ウサギをガマの穂で助ける話が有名だが、そこの部分はあくまで子供向け。そもそも冒頭の「国生み」シーンからしてエロ度満点と言われている艶本の元祖『古事記』がそんなかわいいお話だけで終わるわけがない。大人向けは、すぐそのあと。

 因幡のヤガミヒメとの婚姻を巡って兄弟神たちに恨まれたオオナムチは、赤猪と偽った大きな焼け石で殺される。

  悲しんだ母神サシクニワカヒメがカニムスヒノミコトに我が子を助けてくれるように頼むと、キサガヒ(赤貝)ヒメとウムギ(蛤)ヒメを地上に遣わしてくれる。そしてキサガヒヒメが削った赤貝の粉をウムギヒメが蛤の汁に溶いて乳液状の薬を作り、オオムナチの体に塗ると、彼はたちまち生き返るというお話。

 薬の材料が女陰にたとえられている赤貝の粉に蛤の汁だから、「愛液が火傷に効く」という俗信が生まれたのだろうが、実際にその薬は存在していて、「八上薬」と呼ばれ、山陰地方では火傷の特効薬とされていたんだそう。

 貝の殻は人口皮膚にも使われるキトサンを含んでいるし、意外と科学的なのかも…。

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