わが国の古典文学史上ダントツのスケベ主人公といえば、西鶴の『好色一代男』に登場する世之介だろう。彼の戦歴から見れば、平安時代のナンパ師、光源氏も真っ青になること間違いなし。
抱いた女は、隣家の人妻や後家さんはもちろん、従姉に遊女、湯女、比丘尼…等々。その数なんと3742人。それだけでは飽き足らず、725人の少年まで…。
最終話では、国内での色道修行に飽きた世之介が、スケベ仲間7人と一緒に女だけが住むという女護ヶ島へ船出してゆくというシーンで終わる。
このとき世之介、60歳。現代ならともかく、江戸時代ではもう充分に老人である。そのせいか、船出をするときに、大量に積み込んだ品物が胸が痛むものばかり。
主なものを列記してみると、活き泥鰌(どじょう)に山芋、生卵という精力のつく食品に加え、男性用強精剤の地黄丸、女性用催淫剤の女喜舟。そして性具類では、りんの玉に、阿蘭陀糸(肥後ずいきの一種)、なまこの輪、水牛の角や錫、革製の張形各種。そのうえ、後始末用のちり紙、潤滑油として丁子油、催淫剤の山椒薬、堕胎薬として使われていた、いのこづちの根という念の入れよう。
笑ったのは、『伊勢物語』を持っていったこと。当時は、この名作古典もエロ本扱いだったというわけですね。



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