師匠が私の作品の冒頭に目を通し、「こんなのダメだね。勃たないし、濡れないだろ」とだけ言って、その日は推敲終了ということが何度もありました。
どこがどうなのかという具体的な指導はあまりなく、もちろん聞けるような雰囲気もないので、普段の師匠との会話から自分の作品の足りない部分を何とか聞き出す作戦に必死だった私です。
そんな師匠と、数字に関しては割と深く話をしていました。皆さんのお好みはどちらでしょうか?
「39歳・人妻 と 29歳・人妻」女の香りが匂い立つなんていうのは39歳でしょうか。調教シリーズなんかは29歳の方が服従感が出ますね。
「午前二時 と 午後九時」帰らなきゃいけないのに帰れない心境、都会なのか田舎なのか、お泊りなのかそうでないのか、生活スタイルも想像しやすくなります。結局は何時でも発情するのですけれど。
「五日ぶり と 二週間ぶり」この淫乱女が!なんて言いたくなるのはどちらでしょう。我慢できなかったとか、久しぶりのセックスとか、登場人物の設定によって大きく意味が変わってきます。最近はセックスレスに関係した作品も書きますが、人によって捉え方がかなり違うのでなかなか難しいんです。
「二十歳 と 十八歳」成人年齢が十八歳になったとはいえ、十代にはまだまだ子供のイメージが離れません。処女、童貞、甥、姪、生徒…。道徳心と背徳感。大人であってほしいのか、子供のままでいてほしいのか、人間の欲望は厄介です。
私たちの表現する独特な世界の中で、数字が与える力は大きく、読み手が感情移入しやすいように書くことを、師匠から叩き込まれました。もちろん、それぞれの好みはありますが、若い頃を思い出すにしても、これからの自分の性生活を想像するにしても、なんとなく自分の中にこだわりの数字があると思います。
二回もやった! 二回しかしてくれないの?
現実ではこんな会話が多かったりしますか?